投稿日時:2019/09/24
こんにちは、培養室です
こないだまで暑かったのに、最近、急に朝晩冷え込んできましたね
季節の変わり目ですので、体調には注意してくださいね。
さて、今回は精子のDNA損傷(SDF:Sperm DNA fragmentation)に関するお話です
精液検査で、精子の数や運動率に問題がないのに
体外受精で良い受精卵が得られなかったり、妊娠につながらなかったりする場合、
女性側にのみ原因があるように思われがちなんですが、
実は精子のDNA損傷もARTの成績に影響があると考えられています。
『精子のDNA損傷が胚発生や着床率、流産率と相関があるか』という論文では、
不妊原因が男性因子ではないICSI症例を、精子のDNA損傷の割合が30%以下と30%以上の
2群に分けて検討したところ、受精率に差はなかったが、精子のDNA損傷が高い群において、
・分割スピード
・3日目の良好胚
・胚盤胞の質
・着床率
が有意に低くなったそうです。
また、精子のDNA損傷が高い群で流産率が2.5倍だったそうです
精子のDNAに影響を与える要因として、
喫煙・肥満といった生活習慣、年齢、禁欲期間、精索静脈瘤など
があるという報告があります。
スポーツの秋、生活習慣の改善のために、日々の生活に適度な運動を取り入れてみてはいかがでしょうか?