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精子の質を調べる検査

投稿日時:2021/06/23

こんにちは、培養室です音譜

 

本日は、精子のを調べる検査についてお話します。

一般的な精液検査では、精液中の精子の数や運動率を調べることができますが、DNA損傷精子がどれくらいいるかといった精子の『質』を調べることはできません。

精子の質を詳しく調べる検査として、DNA損傷検査(クロマチン構造検査)があり、
DNAが損傷している精子の割合DFI:DNA fragment index)や未熟な精子の割合HDS:High DNA Stainability)を測定することができます。

DNA損傷検査は、精子をアクリジンオレンジという蛍光染色すると、
・正常精子:緑に染まる
・DNAが損傷している精子:赤色に染まる
・未熟な精子:濃い緑に染まる
という染色結果になることを利用しています。

DFIやHDSに関する報告は多数あり、その一部をご紹介します。

・DFI値が27%以上、もしくはHDS値が10%以上だと、人工授精の妊娠率は低くなる。またDFI値が27%以上だと、体外受精よりも顕微授精のほうが妊娠率が高くなる。
(Bungum M, et al. Hum Reprod. 2004 Jun;)
・DFI値が30%以上だと胚盤胞率が低い。
(Virro MR, et al. Fertil Steril. 2004 May; 81)
・精子DNAフラグメンテーションが高い精子を用いた顕微授精において、母体側の年齢が上がると着床率・妊娠率が低下し、流産率が上昇する。
(卵子のもつDNA修復能力に着目した報告です。)
(Amanda Souza Setti, et al. Fertil Steril.)

卵子の持つDNA修復能力についての過去ブログはこちら

当院では、この
 精子DNA損傷検査、
 精液抗酸化力検査(精液中の酸化ストレスへの抵抗力を測定します)、
 一般精液検査
の3つをセットにした検査を行っています。

・より詳しい男性側の検査を希望されている方
・人工授精からのステップアップを迷われている方
・体外受精か顕微授精か迷われている方
・精索静脈瘤の治療を検討している方

におすすめの検査です。

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