投稿日時:2020/11/04
こんにちは。培養室です。
11月になりいよいよ寒い季節の到来ですね。
今回は、胚と子宮内膜の相互関係について紹介します。
参考になる論文の一つは、 ‘The Human Endometrium as a Sensor of Embryo Quality’です。
受精卵(胚)は、子宮内膜に着床して始めて妊娠が成立していきます。
その際に、子宮内膜が胚を受け入れる際に分化する脱落膜化の過程で、良い胚かどうか見極める働きをしていると考えられています。
これは、母体側が、生存性の低い胚への不適切な侵入を防ぐため進化したのではないかという考えです。
また、胚側にも、子宮内膜へシグナルが分泌され、子宮内膜と胚がお互いにシグナルを出し、
キャッチしあって、お互いがOKなら着床に至るという事が推測されています。
逆に、この過程がうまくいかないと、着床不全や、染色体異常胚を受け入れて流産に至るなどの原因の一つになるのではと推測されます。
まだまだ体内で起きていることは未知なことだらけです。