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卵子の持つDNA修復能力について

投稿日時:2020/10/03

こんにちは。培養室です👻🎃

気付けばもう10月🍂🍁

朝晩も冷え込んできましたね。

体調を崩されないよう、ご自愛くださいね✨

 

さて、今日も論文のご紹介です。

 

 

Female ageing affects the DNA repair capacity of oocytes in IVF using a controlled model of sperm DNA damage in mice Female ageing affects the DNA repair capacity of oocytes in IVF using a controlled model of sperm DNA damage in mice

というタイトルの論文です🤔

DNAダメージがある精子は、卵子がもつDNA修復機能により受精後に修復させるといわれているのですが、高齢女性ではその修復機能がうまく働くのかをマウスによって検討した論文です🦄

 方法ですが、マウスの精子に線形加速器という電子ビームをあててDNAダメージを与え、若齢マウス卵子と高齢マウス卵子、それぞれと受精させて受精率と胚盤胞形成率を検討したそうです。なお、精子はコントロール群(照射なし)、1Gy群(照射少)、30Gy群(照射多い)の3群で検討されてます。

 結果ですが、まず受精率は、

若齢♀×(コントロール86.79%、1Gy♂82.75%、30Gy♂76.74%)

高齢♀×(コントロール93.1% 、1Gy♂70.37%、30Gy♂68.18%)

 つづいて胚盤胞形成率は、

若齢♀×(コントロール86.95%、1Gy♂33.33%、30Gy♂0%)

高齢♀×(コントロール70.37% 、1Gy♂0%、  30Gy♂0%)

で、高齢マウスでは胚盤胞形成率が有意に減少したそうです。

 

また、若齢GV卵(未熟卵)・MⅡ卵(成熟卵)と比較して高齢GV卵(未熟卵)・MⅡ卵(成熟卵)はそれぞれDNA修復遺伝子の発現量が少なかったそうです。

 以上のことより、若いマウスと比べて高齢マウスでは、精子由来のDNAダメージを修復させる機能が低下するという内容でした。

 若い女性と比べて高齢女性のART成績が低下する理由は卵子の質が低下するからと言われていますが、その具体的な質の一つがDNA修復能力の低下だということを調べた論文のご紹介でした。

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