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ヒト受精卵取り扱いの世界的ルールについて

投稿日時:2021/08/15

こんにちは、培養部です。

東京オリンピックが終わりましたね。でも、夏の暑さはまだまだ続きます。

暑いですが、冷房で身体は冷えているかもしれませんので、

たまには湯船につかってしっかり温まりましょう

 

今回紹介する内容は少し難しいですが、生殖補助医療の分野で重要な新しい話題なので、

ご紹介します。

 

The ISSCR Will Release Updated Guidelines for Stem Cell Research and Clinical Translation in May

 

生命科学分野での強い影響力を持つ、

国際幹細胞学会The International Society for Stem Cell Research (ISSCR) による、

ヒト胚を扱う世界的なルール「14日ルール」に関しての新しい指針に関連する記事です。

 

14日ルールというのは、1984年から40年近く続く、ヒト受精卵の取り扱いについての世界的なルールです。

臨床では、現状、通常最大でも7日間までの胚の培養で終了となりますが、

幹細胞などを使った研究分野では、もう少し長く培養を行い様々な研究が行われています。

ただし、最長でも14日までの胚培養でストップしなければいけません。

14日以降というのは、胚の発育が進み、原始線条というのが現れ、

各細胞がヒトとしてどの部分になるのか決定される大変重要な時期です。

これ以降の時期というのは、特に倫理的に研究に使うのは許されないという見解でした。

 

それが、2021526日付で今までの指針が改定され、

研究のために14日間を超えて胚を培養することが認められました。

もちろん、厳しい基準もあり、倫理的課題も山積みです。

ただ、近年の生命科学の分野の急速な発展により、

今まで分かり得なかった遺伝的な疾病等の原因解明のために、

胚の発生のメカニズムの解明が役に立つため、今までの規制を少し緩和して、

研究分野の発展につなげていく動きです。

 

これから、10年後、20年後と生命科学の分野はかなり大きな変化が起こりそうです。

体外受精でも、今まで解決できなかったことが新しく発見されて、

いい結果に繋がるようになるといいなと思います。

14日ルール;日本では、文部科学省・厚生労働省で、ヒト受精胚の取扱いの中

「ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針」があります。

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