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STEP1 治療開始から採卵まで

①卵巣刺激

卵巣刺激

●卵巣刺激

よりよい卵を多く育てるための一連の流れのことです。
通常、毎月何個かの卵のうち1個が選ばれ、大きくなり排卵が起こるのですが、成熟する卵の数を増やして採卵(卵を体の外に取り出す)するために排卵誘発剤を使います。

●卵巣刺激法の一覧

  完全自然
排卵誘発剤を使用しない方法
低刺激
クロミッド、
セキソピットなどの経口剤
中刺激
クロミッド+hMG、
rFSHアンタゴニスト法
高刺激
ロング法
ショート法
採卵できる卵の数
少ない

少なめ

やや多い

多い
採卵あたりの妊娠率
低い

低い

やや高め

高い
身体的負担
優しい

優しい

副作用やや強い

副作用強い
経済的負担
軽い

軽い

やや重い

重い
メリット 身体的・経済的負担
が少ない
連続周期採卵可能
刺激が少ない
連続周期採卵可能
費用対効果が高い
リスクト確実性の
バランスが良い
採卵あたりの移植率・
胚凍結率・妊娠率が高い
デメリット 自然排卵・空胞採取・
移植キャンセル率が
高い
内膜発育不全
早期排卵の可能性
注射の回数通院必要
早期排卵の可能性
身体的・経済的負担が
強い
OHSSの可能性

●当院で行っている主な卵巣刺激法

クロミッド+注射

クロミッド+注射
 

クロミッドとhMG、FSHを使って卵胞を育てる方法です。
生理2~3日目頃からクロミッドを飲みます。その後何回かhMG、FSH等の注射を使ってさらに卵胞を育てます。十分卵胞が育ったら卵の成熟を促すトリガーとして点鼻薬を使い、その時間のおよそ34~36時間後に採卵します。
◆メリット
・身体的・経済的負担が軽い
・連続周期採卵可能
◆デメリット
・取れる卵子の個数が少ない
・クロミッドの服用により、子宮内膜が薄くなることがあり、使用期間が長くなるにつれてその発生頻度が高くなる
 

アンタゴニスト法

アンタゴニスト法
 

アンタゴニストで排卵を抑えながら、hMG、FSH で多数の卵子を育てる方法です。
生理2~3日目頃からhMG、FSH注射で卵胞を育てます。一番大きい卵胞が14~16mmになったらアンタゴニスト注射を開始します。十分卵胞が育ったら、卵の成熟を促すトリガーとしてHCG注射もしくは点鼻薬を使い、その時間のおよそ34~36時間後に採卵します。
◆メリット
・採れる卵の個数が多い
・トリガーを点鼻薬にすることでOHSSを予防することができる
◆デメリット
・アンタゴニストの開始時期を見定める必要があるため、来院回数が増える
・アンタゴニストが高額である

 

PPOS法

PPOS法
 

卵巣刺激に黄体ホルモン剤を併用する方法です。
黄体ホルモンを服用し排卵を抑制しつつ、FSH、hMG 注射によって多数の卵胞を発育させます。十分卵胞が育ったら、卵の成熟を促すトリガーとしてHCG注射もしくは点鼻薬を使い、その時間のおよそ34~36時間後に採卵します。
◆メリット
・アンタゴニスト注射より黄体ホルモン剤の方が安価に使用できる
・来院回数を減らせる
◆デメリット
・高温期のホルモン状態になるため、新鮮胚移植ができない
・新しい方法のため歴史が浅く、まだデータが少ない

②採卵・採精

採卵

●卵子

発育した卵胞に膣から針を刺し、卵胞液を吸引することで卵子を取り出します。当院では患者様の負担を出来るだけ少なくするため、主に22G(ゲージ)の非常に細い針を使用しております。局所麻酔下での採卵となるため、 採卵中エコーの様子をご覧頂きながら行います。

採精

●精子

採卵当日に院内の採精室にて採精、もしくはご自宅にて採精しお持ち頂きます。
採卵当日の採精が困難な場合、事前に精子凍結を行い当日の受精に使用します。
ご提出後は培養室にて、採取した精液から運動精子を回収する調整を行います。

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