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精子DNAダメージの色々

投稿日時:2020/11/27

こんにちは、培養部です!

今回も論文をひとつご紹介したいと思います。

 

今回ご紹介する論文は「Double-stranded sperm DNA damage is a cause of delay in embryo development and can impair implantation rates」というスペインの論文で、精子のDNAへのダメージの受け方によって卵にどういう影響があるか調べたものになります。

 

精子DNAは温度や活性酸素等様々な要因でダメージを受ける事がありますが、この論文では精子の遺伝子の2重らせん構造のうち一重鎖のみにダメージを受けた場合と二重鎖ともにダメージを受けた場合に分けて、それぞれの卵割の過程を観察し差があるかどうか調べました。

 

結果、二重鎖にダメージを受けた精子では第二極体放出、4細胞、8細胞、桑実胚期、胚盤胞形成開始の時間が有意に遅くなり、移植率も下がってしまいました。

その一方で、一重鎖のみにダメージを受けた精子はその後の発生に影響はありませんでした。

 

精子DNAが損傷しても一重鎖のみであれば受精卵の修復機能によりDNAが修復され影響が少なく済む一方、二重鎖ともにダメージを受けてしまうと胚の成長が遅れたり移植率が下がったりと、悪い影響が出てしまうという内容でした。

 

精子DNAは加齢や生活習慣の乱れ等で増加する活性酸素により悪化すると言われています。禁煙や運動、食生活の改善等日々の生活の見直しに加え、当院ではコエンザイムQ10等サプリの処方も行っておりますので精子DNAが気になる方はぜひご相談ください。

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