妊娠しやすい体づくり

喫煙について

一般的に、タバコには発ガン性があり有害なものであるということは知られていますが、タバコが不妊の原因になるということはあまり知られていません。しかしながら、喫煙は不妊に大きく関係していることが明らかにされています。
では、喫煙により実際にどのような影響を受けるのでしょうか。

喫煙が女性に与える影響

女性の喫煙は、卵巣の女性ホルモンの産生を抑制するため、生殖機能低下や閉経を数年早めます。また、卵子の老化や遺伝子異常を増加させます。
喫煙することで妊娠を希望してから妊娠に至るまでの期間が長くなり、1年以内に妊娠しない人が非喫煙者に比べると3.4倍増加することが報告されています。
体外受精を行った場合も、喫煙者は非喫煙者に比べて成功率が約半分になると言われています。喫煙により、卵巣刺激を行っても卵胞がほとんど育たないことや、受精率の低下、着床率の低下などが見られ、成功率が低くなってしまうのです。
また、妊娠に至っても、喫煙者は非喫煙者と比べて流産率が高いことが分かっています。

喫煙が男性に与える影響

男性の喫煙は、精子の状態を悪化させ、精子数・精子の運能能力・正常形態精子数の低下をもたらします。
喫煙者は非喫煙者に比べ、精子数が15~25%低下すると言われています。
その他にも、受精能力の低下や精子のDNA損傷率の増加、勃起不全の増加などの喫煙による影響が報告されています。

受動喫煙による影響

タバコの煙には、本人が吸う「主流煙」とタバコの先から立ち上る「副流煙」があります。煙には多くの有害物質が含まれていますが、その量は副流煙の方が主流煙よりも数倍から数十倍多いことが知られています。
そのため、自分自身が喫煙しなくとも、パートナーや同居家族が喫煙していると「受動喫煙」となり、喫煙者とそれほど変わらない影響を受けることになるのです。
卵子の染色体異常が、受動喫煙を受けていない非喫煙者では5.1%だったのに対し、受動喫煙を受けている非喫煙者では13.0%となり約2.5倍増加することも報告されています。
体外受精の成功率も、本人が喫煙しなくても夫が喫煙する場合、喫煙女性とほぼ同じ程度で低くなり、流産のリスクも増加するということが言われています。
また、喫煙者が家外など別の空間に移動して喫煙したとしても、同居家族への悪影響は避けられないという報告が最近相次いでいます。喫煙した後の喫煙者の呼気には数時間にわたって有害物質が含まれ、これを吸ってしまうからだと考えられています。
受動喫煙を防ぐには、パートナーや同居家族の禁煙が必要です。

受動喫煙による影響

胎児に与える影響

喫煙者が妊娠した場合、生まれてくる赤ちゃんが先天的に異常を持っている可能性は、非喫煙と比べて1.2~1.3倍増加すると言われています。
また、妊娠中の喫煙は流産や子宮外妊娠・多胎妊娠のリスクを高め、超低出生体重児や早産を招きやすくなります。
母親が喫煙しなくとも、周囲に喫煙者がいれば、赤ちゃんは体内にいるときから「受動喫煙」の影響を受けることになるのです。

最後に

このように、女性にとっても男性にとっても、喫煙は妊娠に大きな悪影響を与えてしまいます。
現在、すでに治療を受けている方も、これから治療を考えておられる方も、妊娠を希望されているのなら喫煙は避けた方がよいでしょう。
以前から喫煙されている方は、長期間の喫煙による影響はあるものの、禁煙することで生殖機能が大きく改善されることが明らかになっていますので、これからでも禁煙を始めましょう。
喫煙による悪影響は決して喫煙者本人だけの問題ではありません。
妊娠しやすい体づくりの為、パートナーの為、生まれてくる赤ちゃんの為にも、禁煙すること、またタバコの煙に曝されない環境づくりを心掛けましょう。

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