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体外受精&顕微授精

培養室紹介

IVF&ICSI

自然に妊娠することを希望している方々がほとんどですので、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)を耳にすると、まず抵抗を持ってしまうのは仕方がないと思います。
なかなか妊娠に至らない原因のひとつとして考えられるのは、精子と卵子がめぐり合えていないということです。例えていうと、卵管の中でなかなか自由恋愛をしてくれない卵子と精子に 出会いの場を提供するのが体外受精です。つまり、クリニックでお見合いをして頂くということです。ただし、ある一定の運動率を満たさない精子でないと、卵子と一緒にカップリングすることが出来ません。そこで、精子を1匹選んで、卵子の細胞質内に注入して受精させるのが顕微授精です。
これらの生殖補助医療(ART)は急速に全世界に普及し、日本においてもART後の出生児数は38万人を突破しています。年間出生児数は4万人を超え、約24人に1人がARTにより誕生したことになります。

適応

・体外受精(IVF)

1 : 卵管性不妊症
2 : 子宮内膜症
3 : 免疫性不妊症
4 : 原因不明不妊症
5 : その他(年齢により妊孕性が低下しているなど)

・顕微授精(ICSI)

1 : 重症乏精子症、精子無力症、精子奇形症およびその合併症
2 : 不動精子の症例
3 : 精巣上体精子または精巣精子による受精
4 : 精子もしくは透明帯/卵細胞貫通障害
5 : 抗精子抗体 陽性


自然周期と刺激周期の比較

当院では、なるべく体に負担をかけない自然周期を中心に体外受精・顕微授を行っています。

完全自然周期―

排卵誘発はせず、卵胞の成熟度を見極めて、採卵します。
(来院回数は移植日を含め5回前後です)

自然周期―

経口排卵誘発剤のみまたは、注射薬(HMG)を少し加えて、卵胞の成熟度を見極めて、採卵します。(来院回数は移植日を含め6回前後です)

利点

自然周期―

毎月採卵可能、良好卵が多い、注射薬は必須ではない、局所麻酔でよい、卵巣過剰刺激症候群など合併 症が少ない、コストが抑えられる。

刺激周期―

決まった日に採卵できる、1度の採卵数が多い、1回当たりの妊娠率がやや高い。

欠点

自然周期―

決まった日に採卵できない、1回当たりの妊娠率がやや低い、1度の採卵数がやや少ない、排卵してしまったり、卵子がないことがある。

刺激周期―

2~3ヶ月毎にしか採卵できない、卵の質が低下する可能性がある、局所麻酔は難しい、卵巣過剰刺激症候群など合併症がある、コストがかかる。


採卵から胚移植まで

①採卵

発育した卵胞に膣から針を刺し、卵胞液を吸引することで卵子を取り出します。当院では患者様の負担を出来るだけ少なくするため、主に22G(ゲージ)の非常に細い針を使用しております。また、局所麻酔下での採卵となるため、 採卵中エコーの様子をご覧頂くことが可能です。

採精

採卵当日に院内の採精室にて採精もしくはご自宅にて採精しお持ち頂きます。
採卵当日の採精が困難な場合、事前に精子凍結を行い当日の受精に使用することが可能です。

精子調整

採取した精液から運動精子を回収する調整を行います。

②受精

体外受精(IVF)

シャーレ内の卵子に精子を加える方法です。
運動精子が十分に回収できた場合は、体外受精を選択します。

顕微授精(ICSI)

細いガラス管を用いて精子1個を卵子内に注入する方法です。
運動精子が十分に回収できない場合や、過去の体外受精にて受精障害が予測された場合は、顕微授精を選択します。

スプリット

1回の採卵で得られた卵子を2つのグループに分け、体外受精と顕微授精両方を行う方法です。卵子が複数個得られ、体外受精か顕微授精か決めかねた場合に選択可能です。

ピエゾ ICSI(Piezo-ICSI)

Piezo-ICSI とは先端がフラットなガラス管を用いて、特殊な装置で微細な振動をかけることにより卵子の膜に穴を開け、そこから精子を1 個注入する方法です。
先端の尖ったガラス管を用いて卵子の膜を穿破する通常のICSIよりも、卵子に対するストレスが少ないといわれています。

 

IMSI

形態が異常な精子は受精率が低下するため、超高倍率(6000 倍)で精子の形態観察を行い、顕微授精に用いる 精子を選別する方法です。

紡錘体可視装置

卵子が受精し細胞分裂をする上で重要な紡錘体を観察できる装置です。紡錘体の位置を確認して顕微授精することで、紡錘体の破損を防ぎます。

卵子活性化処理

顕微授精において受精に至らない原因のひとつとして、卵子活性化障害が挙げられます。精子が卵子内に侵入し受精する過程で、卵子内のカルイウムイオン濃度が上昇する現象が起こり、これを活性化とよびます。卵子活性化障害が疑われる場合、当院ではカルシウムイオノフォアという薬剤を使用し人為的に卵子活性化処理を行います。

③培養

受精後は培養器内で培養し、受精卵は分割を進めながら発育します。

受精判定(Day1:前核期)

採卵翌日、受精判定を行います。

胚の評価(Day2~3:分割期)

当院では Veeck 分類により質の評価をしています。 細胞の均等性とフラグメンテーションの割合のより分類する評価法で、グレード1~5 の5段階で分割期の評価を行います。

胚の評価(Day5:胚盤胞)

当院では Gardner 分類により質の評価をしています。胚盤胞腔(胚盤胞内部に見られる細胞のない空間)・内細胞塊(赤ちゃんになる部分)・栄養外胚葉(胎盤になる部 分)の状態により分類する方法です。

胚盤胞腔
胚盤胞腔の広がりに伴い 1~6 の 6 段階に分類されます。

内細胞塊・栄養外肺葉
内細胞塊(赤ちゃんになる部分)と栄養外胚葉(胎盤になる部分)の状態をそれぞれABCの3 段階で評価します。

胚の培養経過をご希望の方

①お電話による確認・・・培養士より胚の発育状況をお伝えします。
②来院による確認・・・『 胚の経過 』をご予約ください。培養士よりご説明致します。

④胚移植

体外で発育した胚をカテーテル(柔らかい素材でできた細いチューブ)にて子宮内にお戻しします。 胚移植は、エコーの様子をご覧頂きながら行います。

多胎妊娠へのリスクを下げるため、胚移植は原則 1 個のみとなります。余剰胚(胚移植を行った胚以外)は培養を 継続し、良好な胚盤胞まで発育した場合は凍結します。

新鮮胚移植

採卵した周期に胚移植を行う方法です。
胚移植当日培養士より胚の培養経過をご説明します。当日の胚の状況次第で胚移植日の変更、胚凍結への変更が可能です。

凍結融解胚移植

凍結した胚を、胚移植当日に融解し移植する方法です。
子宮環境を整えての胚移植となるため、新鮮胚移植と比較して妊娠率が高い傾向があります。

①自然周期による凍結融解胚移植
排卵日を特定し、胚移植日を決定します。

②ホルモン補充周期による凍結融解胚移植
ホルモン剤を投与することで、自然な生理周期と同様の子宮内膜を発育させ移植します。周期が不規則な方や排 卵が認められない方に有効な方法です。

子宮内膜刺激胚移植法(SEET 法)

凍結融解胚移植の 2~3 日前に、胚を培養していた培養液のみ子宮内に注入する方法です。これにより子宮内膜 が刺激を受け、胚の着床に適した環境になると言われています。

アシステッドハッチング(AHA)

AHAとは、胚が透明帯から脱出し着床出来るよう、透明帯を薄く削る技術です。当院では、赤外線のレーザー光線を透明帯に照射することで透明帯を薄くします。レーザーは透明帯のみに焦点を 合わせて照射が可能なため、胚に悪影響を与えることはありません。 高齢の方、透明帯が厚い方、凍結融解胚などに有効な方法です。

⑤胚凍結

当院では、ガラス化凍結法(Vitrification 法)を用いて、通常胚盤胞まで発育した胚を凍結しております。 ガラス化凍結法とは、凍結保護剤を細胞に浸透させ急速に冷却(-196℃)することで細胞への損傷を最低限に抑えることができ、胚を融解した際の生存率が現在最も高い方法です。

⑥その後

妊娠判定

採卵(排卵)後 14 日目以降に血液中の hCG を測定し判断します。 妊娠判定で陽性の場合、7 週まで黄体ホルモンの補充を行います。

転院先

当院には出産設備がございませんので、妊娠 7~8 週で転院となります。 妊娠判定で陽性の場合、分娩や妊婦検診を受ける病院を早めにご検討頂き当院までお知らせください。

報告義務

当院は生殖補助医療の実施登録施設となっております。そのため、医学の進歩および患者様の安全のために、匿 名性を保った上で妊娠予後を日本産婦人科学会に報告する義務がございます。妊娠予後についての調査書類を お渡し致しますので、ご協力お願い致します。

凍結胚・凍結精子の保存

当院では、凍結より1年毎に更新のお手続きをお願いしております。 当院にご登録されている自宅住所宛に更新書類を送付させて頂きますので、ご住所およびご連絡先に変更がある場合は、必ず当院までお知らせください。

Price

料金につきましてはこちらをご覧ください。
また、ART における治療費用例も併せてご覧ください。

セミナー

当院では不妊治療へのご理解を深めて頂けるよう、定期的にセミナーを行っております。
体外受精・顕微授精につきましても、当院培養士よりご説明させて頂きますので是非ご参加ください。
セミナーの詳細はこちらをご覧ください。

体外受精&顕微授精についてPDF表示
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